トランプ氏が日本に対してもつ絶大な影響力とは?

トランプ氏がアメリカの大統領になることが決定し、世界中に大きな波紋が広がっていることだろう。それは日本も例外ではなく、むしろ多くの日本人はトランプ氏が選ばれてしまったことに対して多くの不安を抱いているのではないか。

だが日本人がトランプ氏に対してもっている印象は、ある意味メディアによって創り上げられたものが多いのではないかと感じるところが大きい。トランプ氏の政策や考えについて何も知らない人が、「まさか、トランプに決まってしまった…」「やばいよこれは。」という風に語るのはやはり間違っているように思うのだ。もちろんトランプ氏が日本に対して強硬な態度をとっていることは疑いようのないことであるが、ちゃんとその意味するところを理解し考えていかなければならない。いくらでもトランプ氏を批判することはできるかもしれないが、もう大統領はほぼ決まってしまったのだ。喚いたところで何も始まらないし、日本もアメリカに対して一国として対等に関わっていく必要があるのではないかと思う。これからトランプ氏がどういう対応を日本に迫ってくるのか、それに対して日本はどういう風に対応していかなければいけないのか、それを考え続ける必要がある。

以下はAlex Sturmey氏による"WHAT WOULD A PRESIDENT TRUMP MEAN FOR JAPAN?"という記事を参考にし書かせていただいた。より詳細を知りたい方はこちらの記事もぜひ読んでもらいたい。

核保有容認

まず一番に問題になってくるのは、核保有に関する問題である。日本は非核三原則を主張しているが、これまではアメリカの「核の傘」に入ることで、その安全性を担保してきた。しかしアメリカの核の傘から外れることで、日本は諸外国に対して核による抑止力をもたなくなるわけである。そしてトランプ氏は核の傘を閉じて、それによって日本に核の脅威が訪れることに対して以下の様に述べている。

”Well I think maybe it’s not so bad… if Japan had that nuclear threat.”

まるで日本のことなんてなんとも思っていないような発言である。なんてひどい人なんだ、と思う人も多いかもしれないが、よく考えてみれば一個人としてはトランプ氏を責めることはできないのではないか。言ってしまえば、アメリカにとってみれば、日本を傘の内側に入れるかどうかは大して大きな問題ではないのだ。日本を傘の内側にかくまうことで絶大な利益を得るわけでもないし、追い出したところでアメリカに直接的な影響は少ない。まあ当然のことながら日本がアメリカの傘から外れることで、国際的な力関係は大きく変動することになりかねないので、一個人の発言としてはよくても、アメリカの大統領としてはそう軽々と発言するのは問題だとは思うが。

アメリカの傘から外れることによる国際的影響は様々である。まず日本としては、核による抑止力がなくなってしまうので、諸外国からの攻撃から身を守る手段が失われたことになるので、重大な被害である。そのため核保有の是非について検討する必要があるし、本当に必要であれば核を保有するという選択肢もなくはないだろう。核を保有するということになれば、そのための資金や場所などを確保しなければならず、日本国内の経済にも影響を与えそうである。また中国や韓国などの近隣諸国にとっては日本がより脅威となるため、アメリカの日本に対する干渉としてアメリカを責めることもあり得る。北朝鮮にとっては、日本の脅威を言い訳として、より核開発を行いやすくなることもあるだろう。

在日米軍基地

忘れてならないのは在日米軍基地である。アメリカは現在、在日米軍の駐在費用等を一部支払っているわけでが、トランプ氏はそれを全て日本が支払うべきではないかと主張しているのである。

”Of course they [Japan] should pick up all the expense[s]. Why are we paying for this? … I want them to reimburse us.”

トランプ氏の主張は、米軍の日本駐在にはアメリカにとって何の利益ももたらさないという視点に立っているような気がしてならない。もちろん米軍駐在によって、日本にある程度の防衛力が保たれ、日本にとって利益をもたらしているのは事実である。しかしアメリカにとっても利益がないわけでない。アメリカとアジアの地理的距離を考えれば、日本というアジアの中ではアメリカから近い場所に、自国の軍事的拠点を置くことができるのはメリットであろう。また毎日新聞の記事「米軍駐留経費、日本の負担は?」によれば、米国駐在に対する経済負担の割合は、日本は他国と比べて断トツトップとなっている。韓国、ドイツ、イタリアが30%~40%程度経済負担しているのに対し、日本は約75%も負担しているのである。そして日本は毎年負担費用を増大させているのである。この現状を見てみると、強硬な立場をとれば日本は簡単に要求をのむのではないか、というトランプ氏の思惑が見え隠れしているようにすら思う。まるで日本の高校生が、生徒に対して甘い先生にだけ強気な態度をとるのに似ている。

そうはいっても、トランプ氏が日本に対して究極の二択を迫ったらどうするか。在日米軍の駐在等費用を全て日本が支払う、あるいは在日米軍を全て撤退させる。とは言ってみたものの、これはどちらも現実にはおこらないのではと思う。なぜかといえば、日本が在日米軍の駐在等費用を全額支払うことになれば、韓国、ドイツ、イタリアにも同様の主張をしやすくなるわけで、それは諸外国にとっても好ましくないわけである。つまり日本が反対する以上に諸外国も反対してくるはずである。そして米軍全撤退に関してみても、これもまた考えづらい。なぜなら、在日米軍にアメリカ側のメリットが全くないのであれば、これまで継続して駐在してきたわけがないからである。言葉の上ではトランプ氏はアメリカにメリットはないというようなニュアンスで言ってはいるが、本当はある程度のメリットを理解していると考えた方が妥当である。そう考えると、トランプ氏の言葉巧みな圧迫にどれだけちゃんと対応できるかがカギとなるのではないか。

憲法第9条

トランプ氏は日本の憲法第9条に対してピンポイントに痛烈な指摘をしている。小さな島国の憲法に関してわざわざ批判するくらいだから、日本に対してはよくも悪くもかなり意識しているということにはなると思うが。

”You know we have a treaty with Japan where if Japan is attacked, we have to use the full force and might of the United States… if we’re attacked, Japan doesn’t have to do anything. They can sit at home and watch Sony televisions, O.K.?”

まさにトランプ氏の発言だな、と思わせるくらいに的を得て痛快な指摘である。それを言われてしまうと言い返す言葉がないのが悲しいところであるが、これは事実だと思う。自分はいつでも助けてもらうのに、相手が困っていても何もしないのである。いくらこの憲法によって日本の平和が保たれているとは言っても、それがフェアじゃないのは火を見るより明らかであろう。逆の立場だったらと考えてみたら、おかしなことだとわかるはずだ。日本は完全にアメリカに依存しているということになるし、これは国と国の対等な関係になっているとは言えない。トランプ氏の憲法改正に対する意見は確かに過激な側面もあるかもしれないが、それによって日本が憲法改正に一歩動き出し、より国家としての独立性を強めることができるのであれば、一概に批判することもできないのではないかと思う。例えば日本で徴兵制を導入するということになれば、抵抗は当然あるわけだが、国としての在り方ということを見ればむしろそれがあたりまえと言えるのかもしれない。

今回はトランプ氏の発言や日本に対する主張などを巡って、日本への影響を考えてみた。確かにトランプ氏の日本に対する立場は強硬でなかなか受け入れがたい側面もあるかもしれないが、彼の主張がすべて間違っているとも言えないのは事実である。そしてトランプ氏はこれまで見てきたように、日本のことについて、言葉は雑であったとしても、様々考えているはずである。多くの日本人がトランプ氏のことを知っている以上に、トランプ氏は日本のことを知っているのではないかとも思う。一国の大統領としてはどうなのかという批判はあるだろうが、日本における主要な問題点を的確に指摘しているという点では、厳しい指導者としての役割を担ってくれていると見ることもできるのではないか。

これまでの主要な記事一覧↓

・電通に何があったか~高橋まつりさんの想い

・就活の準備はいつからやるべき?

・ソフトバンク、そして日本の企業体質はいかに

・教育大変革の時 ~Part1 日本の詰込み教育~

・教育大変革の時 ~Part2 大手予備校の将来性比較~

・乃木坂46 橋本奈々未 卒業センターの本当の意味とは

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

w

%s と連携中