教育大変革の時 ~Part2 大手予備校の将来性比較~

みなさんこんにちは。Part1に引き続いて、日本における教育について話していきたいと思います。Part1では、日本の「詰込み教育」の問題点について述べ、変革の必要性について語りました。今回のPart2では、日本の教育を牽引してきた大手予備校に目を向けて、各予備校の経営方針を眺め、比較し、その将来性の検討にまで迫りたいと思う。

大手予備校の評価基準の方向性としては、これまでの日本教育を覆っていた「詰込み教育」から脱却し、グローバルでかつ優秀な人材を育成できるような、経営方針を打ち出しているかどうかという方向性で考えさせていただいた。

そもそも少子化が進行し、年々生徒という市場が縮小している現在、これまでと変わらず「詰込み教育」を行っていたのでは予備校に未来はない。市場が縮小するのであれば、その小さいマーケットでも、もっと社会的ニーズに沿うような改革を打ち出していく必要がある。特に2020年の教育の改革が騒がれている現在、そうした流れの先を見越して動いていけるようでなければ、完全に出遅れてしまうであろう。2020年にセンター試験が廃止され、新試験が導入されるという話を知らないという方は、すららの「2020年、日本の教育が大きく変わる!」を参照されたい。

大手予備校の比較:河合塾、駿台、東進、Z会

河合塾

まず筆頭は河合塾である。総評としては、河合塾はかなり先の将来を考えて経営を行っており、非常に将来性がありこれからが楽しみな企業であるといえる。まず一際目立つものが、「ジェネリックスキル講座」である。ジェネリックスキルとは、リテラシーとコンピテンシーを両輪とした、社会で求められる汎用的な能力・大度・思考のことである。リテラシーでは、「知識を活用して問題を解決する能力」を、コンピテンシーでは、「自分と自分を取り巻く世界とよりよい関係を築く力」をそれぞれ育てていくわけである。この講座は、高校1・2年生のための講座であり、いわゆる教科という枠組みを完全に超えて、人間的な教育をするというものである。ただ聞いて学ぶだけでなく、それをアクティブラーニングを通してより高次元の能力へと高めていくのである。

これだけでなく、「河合塾未来教育プログラム」という科学実験とディスカッションを組み合わせたプログラムを開催したり、「学びみらいPASS」という、これからの社会で生き抜くために必要な能力を測るための、新しいテストを開発していたりする。河合塾のこうした模索は、新しい教育の形を提言しており非常に面白い。またジェネリック講座や学びみらいPASSは、システムとして継続的に利用されていくことになるので、そうした教育の改革はジワジワと日本に広がっていくと考えられる。

駿台

駿台の総評としては、進んでいく時代をなんとか追いかけているような印象であった。特に2016年9月から、ようやく教育のICT化の一環として、「賢者+V」という教育支援システムの事業展開をしたとしており、少し出遅れている感は否めない。

また独自の学力診断テストの期間実施や、4技能に向けたイベント、プログラミング入門といったイベントを主催はしているが、これらは短期的なプロジェクトとなっている。そのため着実に継続されていくような事業方針とはなっておらず、まだまだ発展途上といえるかもしれない。

Z会

これまで見てきた河合塾、駿台は学校法人であったが、Z会は一般の企業でありホームページを見た限りでも、だいぶ様相は異なっていた。総評としては、全体として改革の動きが緩慢であることと、時代の流れがあまり見えてないような印象であった。

Z会は、Z会グループというものが経営の母体となっている。その一つ、栄光ゼミナールに関しては、ほぼ改革はないといってよいだろう。小学1-3年向けの実験教室なるものがあるくらいで、他はいわゆる「詰込み教育」の原点がそのまま形として残っているような印象である。またシェーン英会話という英会話スクールがあるが、英語業界の将来性は日本においては確実に存在するため、無難に成長していく感じはする。ただ特に目新しさというものはないだろう。

唯一気になったところは、「基礎学力総合研究所」である。これは「グローバル社会・知識基盤社会」で求められる能力や学習評価基準を研究するための研究機関である。この組織が提言している考えは将来的に有効なものではあるが、まだ実用化には到達していないという面もあり、これからの動きに期待したいところである。

東進

最後の東進は、株式会社ナガセが経営する塾である。大手塾としては珍しく、上場している企業である。総評として、ナガセの事業内容を見ていて思ったことは、一体この会社はどこに向かおうとしているのだろうか、ということである。株式会社というだけあって資金もあり、異業種に参入していく姿勢は面白いと思うが、向かうべき先とやり方が一致しているのかというのが疑問であった。

東進ハイスクールに関して言えば、こちらは「グループ制、担任助手指導」といった、他の塾にはない手法を取り入れているのは興味深い。グループ制はグループ内で生徒が切磋琢磨したり、利他のために動いたりする機会を提供するものであり、担任助手制度は、指導者と生徒が「上級生と下級生」のような関係で関わりあっていくというものである。ただ、こうした制度以外に新しい動きは見えてこず、あくまでも「詰込み教育」に固執しているような印象を受けた。

また「中国精華大学短期留学」や、ハーバード大学への留学支援などの事業も行っている。ただどちらにも共通して言えることは、選抜が厳しく一部の本当に優秀な生徒しかその恩恵を被ることができないのである。そこには少数精鋭の価値観があり、安定的な教育ではなく、優秀な生徒のための人材育成のような印象が強い。またハーバード大に留学できる可能性があるのは、「全国統一高校生テスト」という、いわゆる現行の大学入試センター試験のための模試において、優秀な成績を残した人だけである。これは「詰込み教育」偏重を助長しているようで疑問が残る。

とても独特な試みだと感じたのは、「教育改革先取り対応セミナー」という学校の先生を対象にしたセミナーの開催である。これはこれからの時代に必要な教育の在り方について、公教育にも浸透させていくという意味では素晴らしい内容であることは間違いないが、果たしてナガセの教育こそ教育改革に対応しきれていないのではないかという最大のパラドックスを感じてしまう。そのほかにも、スイミングスクールやWEBマガジンのなどにも力を注いでいるようであり、その向かう先は謎に包まれているような気がする。
ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。とても長い記事となりました。大手予備校を、将来性という観点から検討させていただいて、ランキングをつけさせていただこうかと思います。ただ個人的なものですので、何かの参考程度になればなと思います。
第一位から順番に、
河合塾
東進
Z会
駿台
となりました!!!
河合塾は堂々の一位でしょう。抜本的な教育改革に取り組み、着実にシステム開発に取り組んでいます。そして東進は、教育という観点から見るとなんとも評価しづらいですが、事業の多様性と独特な方針から考えて第二位です。駿台とZ会に関しては、経営方針をもっと変えていかなければ、変革の多いこの時代で生き残っていくのは難しいかもしれません。

こうして大手予備校を見てきてわかったことは、今後の社会の行く先をちゃんと考えているかどうか、はっきりと分かれるなということでした。また各会社にそれぞれ子会社があり、子会社にもそれぞれ違った特徴がありました。先が見据えて改革を行っている会社もあれば、今までの方針をひたすらになぞっている会社もあり、経営者の方針がいかに大事なのかということを改めて思い知らされました。これからの日本の社会の発展のために、大手予備校には教育者としての責務を全うしていただきたいですね。
さて、改めて日本の「詰込み教育」の問題点についても読んでみたいなという方、Part1の方もご覧ください。
また次回のPart3では、「世界的に浸透しつつある映像授業」についてとりあげてみたいと思います。それではまたお会いましょう。
広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

w

%s と連携中